2024年12月26日木曜日

おとなが学ぶサイエンス講座「雪が舞うクリスマスボトル」

 12月19日「雪が舞うクリスマスボトルが開講されました。科学の力で、クリスマスにぴったりなスノードーム「クリスマスボトル」「鏡のクリスマスカード」をつくりました。



今回はおとなが学ぶサイエンス講座」ということで、作品作りだけでなく、まずは今回の講座内容に関する科学のお話。一般的なスノードームは、透明でドロッとした液体の中を、プラスチックやアクリル樹脂の白く小さな粒がふわふわ漂うことで、雪が舞っているように見えるオブジェです。

そして、今回作るクリスマスボトルは、サンタやトナカイなどクリスマスらしい人形が立っている無色透明の液体ボトルが、室内の窓際など気温の低いところに置いておくと、白い雪のような結晶がひらひらと舞い落ち、まるで雪が積もったように人形の周りを彩る、科学の力を使ったXmasオブジェです。

これは、温度による薬品が水へ溶ける量(溶解度)の違いを利用しています。砂糖や食塩などは、それぞれ水に溶ける限界の量が決まっていて、それ以上溶かそうとすると、溶け残りが出てしまいます。水に溶けるものの中で、温度によって溶ける量が大きく変わるものの一つが、今回用いた「塩化アンモニウム」塩化アンモニウムは、冷たい水には少ししか溶けませんが、水の温度が上がれば上がるほどたくさん溶けます。

まずは、そのことを実験で確かめました。試験管の中に入った塩化アンモニウムに、駒込ピペットを使って水を入れます。こんままだと、いくら混ぜても白くにごって溶け切りませんが、湯煎にかけて水の温度を上げると…完全に溶けて、無色透明な溶液になりました。

 

そして、お楽しみはここから! お湯で温めることで溶ける量を増やしているので、お湯から出したまま置いておき、自然に水の温度が下がると… 溶けていたはずの塩化アンモニウムの結晶が水面から落ちてきます(再結晶)。無事みなさんが、再結晶を確認したところで、いよいよ「雪が舞うXmasボトル」を作ります。

塩化アンモニウム90gと、メスシリンダーでぴったり200ml量った水を混ぜながら、アルコールランプの火にかけます。ガチガチに固まって一見溶けなさそうな塩化アンモニウムの塊も、水の温度が上がると魔法のように溶けて見えなくなります。

塩化アンモニウムが完全に溶けて、液が無色透明になったら、アルコールランプの火を消し、温かいうちに飾りの人形を入れたボトルに注ぎます。この時、気泡が入らないように慎重に内蓋を閉めてから、外蓋をしっかり閉めたら完成です。

 

ボトル内の水溶液が温かいうちは、透明な液のままですが、だんだん冷えてくると、塩化アンモニウムの再結晶がはじまり、まるで雪のようにひらひらと白く大きな放射状の結晶がボトルの中を舞います。

  

ボトルの中を舞う雪を楽しんだ後は、もう一つのクリスマスグッズ。鏡シートを使った「鏡のXmasカード」を作ります。こちらは鏡の反射を利用しています。左右2枚の鏡をそれぞれ別々に飾り付け、カードを折り重ねると、合わせ鏡となり、それぞれの模様が重なって素敵なデザインを楽しむことができるカードです。折る角度を変えることで、いろんな表情を楽しむことができます。

飾りつけの途中で左右で映し、何度も見え方を確認しながら、皆さん長時間集中して、自分だけのオリジナルカードを作りました。


今回の実験では、駒込ピペット、アルコールランプ、メスシリンダーなど、小中学校以来の実験器具を思い出しながら使ったり、難しい工程では初対面の方同士でもお互い仲良く助け合ったりしながら、楽しく活動されていました。Xmasボトルに用いた塩化アンモニウムは、肥料や食品添加物としてホームセンターなどで手に入るものもあります。気になった方は、ぜひ作ってみてくださいね。


今回のような、おとなが学ぶサイエンス講座は、年に4回開催しています。今回のような科学工作の他に、科学の力を確認しながら行うクッキングや、 アクセサリー作り、お茶を科学する講座など、年によって内容も様々なので、気になった方はぜひ、科学センターホームページで確認してみてくださいね(゚∀三゚三∀゚) ウホー!。

2024年12月21日土曜日

わくわく工作室「マジックカード」

 12月のわくわく工作室は「マジックカード」


もうすぐクリスマス!ケーキを買ってパーティーをするという方も多いかもしれません。「マジックを見せたら盛り上がるかも!」…ということで、この時期に使える簡単なマジックカードをみんなで作りました♪

クリスマスということで、絵柄はサンタ、ツリー、トナカイの3種類を用意。

作り方は超簡単!牛乳パックに太さのちがう紙テープをはり、表紙に色紙をはったら完成!これのどこかマジックカードなの?という雰囲気でしたが、いざ実践!

まず、マジックカードを開いて、右側にサンタの絵を入れます。そして、カードを閉じてから

「チチンプイプイ●■★▲…。。」

ぶつぶつと、怪しげなおまじないを唱えて、カードをめくると・・・なんと‼サンタが左側に移動しているではありませんか!!(・・)!! 予想してなかった出来事に、みなさん驚いて拍手が起こりました。パチパチパチ✨

 

仕掛けは簡単。絵を入れた後、閉じた方とは反対側から開けると、紙テープの位置が入れ替わり、あたかも絵が移動したように見えるんです!!仕掛けは単純ですが、それだけに簡単な動作で本当にビックリΣ(・ω・ノ)ノ!させることができます★大人の方がより驚いていましたね( *´艸`)。

今回もたくさんの方に参加していただきました、ありがとうございました!



★次回のわくわく実験室のご案内★

  静電気パワーで大実験

  日程:12月21日(土) 13:00~15:00
  場所:ライフパーク倉敷 2F 実験実習室
  無料、当日12:30より科学センター1F受付にて整理券配付
  ※ 小学3年生以下は保護者同伴でご参加ください。



★次回のわくわく工作室のご案内★

  むくむくびっくりコップ

  日程:R7年 1月11日(土) 13:00~15:00
  場所:ライフパーク倉敷 2F 実験実習室
  無料、当日12:30より科学センター1F受付にて整理券配付
  ※ 小学3年生以下は保護者同伴でご参加ください。

 混雑を避けるため整理券をお持ちの方のみ参加いただけます。当日12時30分より配付しますので、科学展示室や全天周映画、プラネタリウムと一緒に、ぜひお楽しみください♪

 

 

 

2024年12月17日火曜日

科学実験教室「ときめく琥珀・鉱物、大発見」


12月8日「ときめく琥珀・鉱物、大発見」が開講されました。

なんと…!100人以上申し込みがあった、超大人気の講座です。見事当選を勝ち取り、参加された方、おめでとうございます(^^)/★

 

地上の岩石は主に①火成岩②堆積岩③変成岩…の3つ。さらに、火成岩は地中のマグマの成分や冷え方によって、もっとたくさんの種類に分けられます。そこで、講座では代表的な6種類の火成岩を実際に触ってもらい、ルーペでその様子を観察してもらいました。

火山岩深成岩の違いを見つけてほしい講師の先生から「どんな特徴があった?」と聞かれると、何人も手を挙げて違いを答えてくれました★素晴らしいですね(*^▽^*) ちなみに子どもたちの意見では「深成岩の方が、キラキラ✨見える」そうです。結晶の大きさの違いを、しっかり見つけてくれました。


岩石を作る鉱物についても勉強しました。鉱物ってどんなものがあると思いますか?石英長石雲母輝石かんらん石…。実際に火山灰や鹿沼土から鉱物を見つけ、顕微鏡で観察していきました★ 

中でも最も盛り上がったのが、かんらん岩質の玄武岩からかんらん石を取り出す作業です。かんらん石のうち不純物のない大きな結晶はペリドットとして高価に扱われます。つまりは宝石‼「今から宝石を探します!!」という先生の言葉に、みなさん、俄然やる気が出てきた様子(*^▽^*)

岩石をハンマーでくだき、そのかけらの中からきれいな黄緑色をしたペリドットの粒だけを丁寧に集めていきます。小瓶にたくさん集めたら、宝石のお土産が完成!テンションがあがります!(^^)! 自分の力で見つけた宝石は、ずっと大切に持っておきたくなりますよね♪

 

最後は琥珀磨きです。「琥珀」とは太古の樹木から出た樹液が化石になった「樹脂の化石」です。宝石のほとんどは鉱物で、琥珀のように植物由来の物はめずらしく、中でも古代の昆虫、葉、花、樹の皮が自然に入りこんだ物もあって、化石として価値があがります(虫などが入っていない場合、宝石としての価値が上がります)

琥珀を磨いて、お宝をゲットしよう!ということで、粗さの違う耐水紙やすりで、少しずつ丁寧に磨いていきます。果たして配られた琥珀の中に、虫などの太古の生物たちはいるのでしょうか…?

そうすると!なんと、虫が入っている琥珀を発見‼顕微鏡で見た子どもたちからは、「虫の触角が見える…ヽ(゚∀。)ノウェ!」と、とてもうれしそうでした!★

 

なかなか経験できない、地学の講座内容に、みなさんとても楽しく過ごされていました(^^♪ 先生の話はよく聞いて、ワークショップは全力で!メリハリのついた有意義な時間でした。 

 

 

 

2024年12月11日水曜日

宇宙の日作文絵画コンテスト2024 展示のお知らせ

「宇宙の日」記念行事全国小・中学生作文絵画コンテスト、今年もたくさんの応募がありました(*^▽^*)

 宇宙の普及活動を末永く行おうと、一般公募され、毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトルで初めて宇宙に飛び立った9月12日を「宇宙の日」と制定しています。これを記念して1993年から「宇宙の日作文絵画コンテスト」がはじまり、倉敷科学センターも毎年、絵画と作文について募集を受け付けています。

 

 今回のテーマは 「きみの考える宇宙ロボット!宇宙に連れて行くきみの相棒」倉敷科学センターは絵画31点、作文26点の応募がありました。ただいま応募いただいた絵画作品を科学センター受付横の特別展示室に展示しています★

 個性あふれる宇宙ロボットにちなんだ作品がズラリ☆彡可愛らしいものから、細かく丁寧に描かれた作品もあり、作品を書いてくれた小・中学生の思いが伝わります。将来、考えてくれた宇宙ロボットの世界が現実になったら、嬉しいですね(*^▽^*) 科学センターにお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください!


★応募作品の展示★

 期 間:令和6年12月7日(土)~令和7年1月13日(月祝)

 会 場:科学センター受付横 特別展示室(入場無料)

 休館日:祝日を除く(月)、年末年始(12月28日~1月4日)

2024年12月10日火曜日

親子科学教室「日本の伝統、和凧作りに挑戦(連凧)

 12月1日(日)親子科学教室「日本の伝統、和凧作りに挑戦」が開講されました。科学センタでは、20年近く続くおなじみの講座です。まさに「伝統」‼お正月の風物詩「和凧」を親子で作ってもらいました。今年は3つの凧がつながった「連凧」です。

 材料は、和紙、竹の骨、凧糸です。

 まずは、和紙全体にイラストを描きます。みんな思い思いに好きな絵を描いてもらいました。先生からは「空に揚がった時よく見えるように大きくわかりやすい絵がいいよ」と。3連の連凧なので、イラストも3つ必要でした。みんな頑張って描いてくれました。良い絵が完成したかな?!

 

次に、竹の骨組みを1本ずつ印に合わせて、和紙に貼り付けていきます。縦横に2本ずつ組み合わせて、上手に貼り付けていきます。竹の骨の反り方が大事みたいです。これも3枚分あるので、子どもたちと一緒に保護者のみなさんも頑張ってくれました。最後に、一番下に長い尾と、中央に凧糸をつければ完成です。(≧▽≦)


 さあ、出来上がった凧を持って外の広場に飛ばしに行くぞー。空はどんより曇り空、風は少し吹くときもあるものの、全体的にはあまり吹いてなくて残念。でも、みんな一生懸命走って頑張ってくれました。コツをつかめは大丈夫!みんな上手に空高く揚げてくれてました。

 あまり経験することもなくなってきた、「凧あげ」もっと触れる機会が増え、残していきたい日本の伝統です。ぜひ、お正月に家族みんなで凧あげを~(^^)/ご参加のみなさんありがとうございました。


2024年12月8日日曜日

科学工作教室「空飛ぶ工作 大集合」

 11月24日(日)科学工作教室「空飛ぶ工作 大集合」が開催されました。

 こちらの講座は『幼児向けの科学講座をしてほしい』との声をきっかけに5~7才の子どもたち(年長・小学1,2年生)を対象に2時間の講座を実施することとなりました。

 科学センターには、毎月の第2土曜に「わくわく工作室」第4土曜に「わくわく実験室」という、幼児の方でも気軽に参加できる1コマ20分の科学教室がありますので、興味のある方はぜひそちらの教室にもご参加ください。やることは小さい子向けにカンタンにしていますが、科学レベルは高いですヨ(*゚▽゚)ノ。

 ちなみに、当館の講座は3年生以下の子供には保護者の同伴をお願いしており、小さい学年が対象の講座の多くは「親子科学教室」と名付けられています。しかし、今回は小さい学年を対象としながら、「科学工作教室」と名付けています。これは、子どもたちに『できるだけ自分の力でがんばってほしいな。』という願いが込められています。やればできる‼

 さて、実際の工作が始まる前に、少し科学的な空を飛ぶ飛行機にはたらく力のお話『なぜ、大きな金属の塊でできた飛行機が大空を飛ぶのでしょう?』。その答えは科学者でもまだ明らかでない、と言う人がいるほど難しい問題のようですが、どうやら『揚力ようりょく』という科学の力が大切なようです。みんなは、揚力を上手に使って、空飛ぶ工作ができるでしょうか。

 まずは紙工作です。はじめは「ブーメラン」を作って飛ばしました。投げ始めは難しい様子でしたが、すぐに上手になって、自分のブーメランをキャッチする子がたくさんでした。

 次に「ペーパージャイロ」という科学センターおなじみの紙飛行機を飛ばしました。これはクルクル回転させると、よく飛ぶ不思議な飛行機。上手な子はビューンと飛ばしました。

 最後に「スカイキング」という有名な紙飛行機を折りました。これには、苦戦する子が続出あちこちで、あきらめ声や泣き声、困った表情が見られましたが、それでもあきらめず頑張るのが工作好き・科学好きの第一歩です。おうちの人と協力して、何とか完成しました。

 他にも、ストロー飛行機「リンググライダー」やペットボトルを使った「エアーロケット」も作って飛ばすことができました。今日の工作は「大集合」という名前だけあって、とてもたくさんの空飛ぶ工作をお土産に持って帰ることができました。みなさんオウチに帰っても、車や周りの物や人にぶつからないように気をつけて、たくさん飛ばして遊んでくださいね。ご参加ありがとうございました♬(ノ゜∇゜)ノ♩